


バーチャルよりも、象がすき。 頭上にミサイル(=_=) ウーロン茶に青酸…>_<… 電子マネーって現金だっけ?(@_@;) 巧妙につくられた仮想現実は、 現実以上にリアルというから、 これはバーチャルじゃないのか? 朝刊、中吊り、テレビ、 目覚めてから眠るまで、 3000も殺到する広告、 おれが知りたいのは、 あんたの会社の商品情報じゃ なくて、おれ自身なんだよ。 バーチャルよりも、さわりたい。 象がいい。 象がすきだ。 だいいちカタチがユニークだ。 線が、アジア的だ。 美しいというには無理があり、 しかしけっしてぶさいくではなく、 からだがおおきいからといって、 ライオンみたいに高圧的ではなく、 とくに謙虚でもなく、 優しそうだが、 怒りは忘れておらず、 愚鈍ではなく、 ただそこにあって、 神々しい。 そんなやつのそばにいて、 さわっていたい。 バーチャルよりも、さわりたい。 |
象に乗る。 象に乗るのはそう簡単ではない。 訓練された象に、ハプスン!と号令すると、かれは前足の片膝を上げる(はずだ)。 あなたは膝に足を掛け、耳と腹をつかむや、ソンスン! と叫ぶ、かれはさらに膝をぐいっと上げるから、そのタイミンクで、耳の後ろに飛び乗り、間髪をおかず両膝をかれの耳と首体のあいだにねじ込む(そうしないと、象が首を振るたび落ちそうになる) 上は、タイの象使いの方法。 かれらは、ねじ込んだ足で耳の付け根を蹴ったり、複数の号令を駆使して象を自在に扱う。タイ北部、チェンマイ郊外ランバーンの使役象訓練センターにゆくと、引退した象、これから訓練する仔象、その母象などたくさんいて、象に乗ることができる。 象使いのようにではなく、公園の滑り台くらいの高さの架台から、象の背に固定された椅子状の鞍に座る。象の肩は、大人ふたりがらくに並んで座れる幅がある。 足のうらが、ちょうど象の前足関節と肩胛骨(があるかどうかは知らないが)にあたり、象が歩くたび、太くたくましいメカニズムがうごくのを感じる。 象の皮膚は、写真でみると鎧のようで、サイみたいに剛そうだが、想像よりは柔らかい。柔軟で分厚い生ゴムくらいのかんじ。脂肪は感じられず、その生ゴムのような皮膚の下に直接、骨格のうごきををかんじるのだ。 |
撮影:ジョン・ドライスデイル ■29年ウガンダ生まれの英国人。広告写真家として 活躍し、受賞多数。掲載写真は、ロンドンのロバート ブラザーズ・サーカスを取材した70年代初めの作品。 象に乗る。 訓練センターでのちょい乗りと、丘をめぐる1時間ほどのトレッキングコースがある。 ヒトと同じはやさで、象は歩く。 小川を渡り、日本のそれに似た植生の森を抜ける。 30度近い急斜面もあるが、意外に器用に登る。 林業使役が本業だから当然か。しかし乗っているこちらは背中から落ちそうで、鞍にしがみつかねばならない。 象に乗るのはなかなかの体験である。 |