▲館山に設けられたセットと主演の二宮和也。海の春を待って撮影された
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飯島夏樹原作、 ドラマ"天国で君に逢えたら" 撮影快調。 国民的ドラマに育てるべく、読者諸兄に おかれては、私設応援団をご結成いただきたく。 ■07年夏、映画 "LIFE 天国で君に逢えたら" 公開のとき、筆者はこう書いた。 「これは、クライマックスではなく、はじまり」 次は、ドラマだ。 製作はTBS、すでに国内ロケの全て、撮影の80%を終え、サイパンロケ等を残すのみとなっている。 放送は未定だが、年内で調整中。 精神科医・野々上純一役、主演は嵐の二宮和也。 純一をサポートする看護師・和田みずほ役に宮本信子。 ガン患者・シュージに緒形直人。 他、井上真央、ユースケ・サンタマリアなど実力派が脇を固める。 原作を読まれておられるだろう、本誌の読者な ら、主演・二宮和也のキャスティングに、なるほ どと肯首されたのではないか。 「主人公の純一の、優しさ、もどかしさ、スポ ンジのように他者の気持ちを受け容れる寛やか さ、芯の強さ……そういうニュアンスを表現できるのは、二宮くんしかいないと思いました」 TBS ドラマプロデューサーの瀬戸口克陽氏は、 完全主義的にプロジェクトを進めた。 「(純一の妻)夏子役の井上真央さん、空気感が合うというんでしょうか、二宮くんと並んでカメラを覗くと、ほんとの夫婦に見えるんです、そういうのはけっこう稀れなことなんですが」 瀬戸口氏と飯島夏樹の出会いは、氏がたまたま、 テレビで夏樹の生前のドキュメンタリーを観たこ とだった。 |
こんな人がいるのかと驚き、別件で仕事していた新潮社を通じて、夏樹の処女作 "天君" を読んだ。 職業的な野心ではなく、こういう人がいて、こういう生き方をして、余命宣告をされた極限的な状 況で、こんな物語りをのこしたことを、世に伝えたいと思った。 「"天君"にこんな一節があるんです」 と、瀬戸口氏は続けた。 ──結局自分が死んでからも残るものって "人に与えたもの" それだけだ。 その中でも大事なことは "目に見えないもの" だっていうことに気がついたんだ─── 「そして、夏樹さんご自身にとってのそれが、死に瀕しながら編んだ、いくつかの物語りだった。 それら物語りでは、死に瀕したガン患者が、健康 な遺族に、逆に希望を、勇気を与えるんです。 そう、夏樹さんご自身のように」 「現在、深刻な不況とか、身につまされる状況が あって、バーチャルなことに囚われ、がんじがらめになりがちで、年間3万もの方が自殺されたりしているけれど……、 でもたとえば、たったひとりの人に愛されているだけでも、そう捨てたものじゃない。 天国の夏樹さんからの、いまを生きる人への、そういうエールを届けたいのです」 一方、"天君"は、専門的技術的にドラマ化が難しい素材でもあるという。 たとえば、院内に "手紙屋" とか "ヘブン号" (ヨット) があるなど、ある種のファンタジーであるからだ。 ファンタジーは、ファンタジーであると同時に、どこかリアリティを感じさせないと陳腐になってしまう。 脚本にも美術にも撮影にも、技術と腕力を要求するのだ。 が、それは問題ないだろう。 |
前述の俳優陣。 プロデューサーの瀬戸口克陽氏は、"花より男子"、"華麗なる一族"など多数を成功させてきた TBSのエース。 脚本は岡田惠和氏。("ちゅらさん"など) 演出は土井裕泰氏。(映画 "いま、会いにゆきます"、"涙そうそう" など) 事情通の方に聞いたのだが、3氏は、"天君" 的世 界観のドラマ製作にかけては、現在、ベスト&ス トロンゲストであるという。 ドラマ "天国で君に逢えたら" は、ドリームチームによって創られるのだ。 筆者が最後に夏樹に会ったのは、04年7月、国立がんセンター中央病院だった。 余命宣告が成されて久しく、処女作 "天君" の出版を控え、続編を3作書き上げたところだった。 「ぼくの名前はクレジットされなくてもいいんです」 と夏樹はいった。 「ぼくが天国に行ってからも、誰かが、この物語りを書き綴ってくれればと思う、永遠に」 瀬戸口氏はいう。 「"天君" は、できることなら、あの "北の国から" のように、1年に1回、2年に1回と続く、出演者が視聴者とともに成長してゆく、国民的ドラマに育てたい」 そのために、まずは、 初回放送を成功させねばならない。 筆者は、今回の、瀬戸口氏インタビューのためのTBS 宛企画書にこう書いた。 ■読者全員が「飯島夏樹私設応援団」といっても過言ではない、ウインドサーフィン専門誌 "Hi- Wind" において、読者が待ち望むドラマ化の情報を提供、盛り上げ、ドラマの大成功に供する。 読者諸兄におかれては、筆者をほら吹きにせず、"天君" を国民的ドラマに育てるため、ぜひとも私設応援団を結成されたい。 |