……………… 飯島夏樹レジェンダリー 2009 ………………

▲館山に設けられたセットと主演の二宮和也。海の春を待って撮影された
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飯島夏樹原作、
ドラマ"天国で君に逢えたら" 撮影快調。
国民的ドラマに育てるべく、読者諸兄に
おかれては、私設応援団をご結成いただきたく。


■07年夏、映画 "LIFE 天国で君に逢えたら"
公開のとき、筆者はこう書いた。
「これは、クライマックスではなく、はじまり」

次は、ドラマだ。
製作はTBS、すでに国内ロケの全て、撮影の80%を終え、サイパンロケ等を残すのみとなっている。
放送は未定だが、年内で調整中。
精神科医・野々上純一役、主演は嵐の二宮和也。
純一をサポートする看護師・和田みずほ役に宮本信子。
ガン患者・シュージに緒形直人。
他、井上真央、ユースケ・サンタマリアなど実力派が脇を固める。
原作を読まれておられるだろう、本誌の読者な
ら、主演・二宮和也のキャスティングに、なるほ
どと肯首されたのではないか。

「主人公の純一の、優しさ、もどかしさ、スポ
ンジのように他者の気持ちを受け容れる寛やか
さ、芯の強さ……そういうニュアンスを表現できるのは、二宮くんしかいないと思いました」
TBS ドラマプロデューサーの瀬戸口克陽氏は、
完全主義的にプロジェクトを進めた。

「(純一の妻)夏子役の井上真央さん、空気感が合うというんでしょうか、二宮くんと並んでカメラを覗くと、ほんとの夫婦に見えるんです、そういうのはけっこう稀れなことなんですが」

瀬戸口氏と飯島夏樹の出会いは、氏がたまたま、
テレビで夏樹の生前のドキュメンタリーを観たこ
とだった。
こんな人がいるのかと驚き、別件で仕事していた新潮社を通じて、夏樹の処女作 "天君" を読んだ。
職業的な野心ではなく、こういう人がいて、こういう生き方をして、余命宣告をされた極限的な状
況で、こんな物語りをのこしたことを、世に伝えたいと思った。

「"天君"にこんな一節があるんです」
と、瀬戸口氏は続けた。

──結局自分が死んでからも残るものって
"人に与えたもの" それだけだ。
その中でも大事なことは "目に見えないもの" 
だっていうことに気がついたんだ───

「そして、夏樹さんご自身にとってのそれが、死に瀕しながら編んだ、いくつかの物語りだった。
それら物語りでは、死に瀕したガン患者が、健康
な遺族に、逆に希望を、勇気を与えるんです。
そう、夏樹さんご自身のように」
「現在、深刻な不況とか、身につまされる状況が
あって、バーチャルなことに囚われ、がんじがらめになりがちで、年間3万もの方が自殺されたりしているけれど……、
でもたとえば、たったひとりの人に愛されているだけでも、そう捨てたものじゃない。
天国の夏樹さんからの、いまを生きる人への、そういうエールを届けたいのです」

一方、"天君"は、専門的技術的にドラマ化が難しい素材でもあるという。
たとえば、院内に "手紙屋" とか "ヘブン号" (ヨット) があるなど、ある種のファンタジーであるからだ。
ファンタジーは、ファンタジーであると同時に、どこかリアリティを感じさせないと陳腐になってしまう。
脚本にも美術にも撮影にも、技術と腕力を要求するのだ。
が、それは問題ないだろう。
前述の俳優陣。
プロデューサーの瀬戸口克陽氏は、"花より男子"、"華麗なる一族"など多数を成功させてきた
TBSのエース。
脚本は岡田惠和氏。("ちゅらさん"など)
演出は土井裕泰氏。(映画 "いま、会いにゆきます"、"涙そうそう" など)
事情通の方に聞いたのだが、3氏は、"天君" 的世
界観のドラマ製作にかけては、現在、ベスト&ス
トロンゲストであるという。
ドラマ "天国で君に逢えたら" は、ドリームチームによって創られるのだ。

筆者が最後に夏樹に会ったのは、04年7月、国立がんセンター中央病院だった。
余命宣告が成されて久しく、処女作 "天君" の出版を控え、続編を3作書き上げたところだった。

「ぼくの名前はクレジットされなくてもいいんです」
と夏樹はいった。

「ぼくが天国に行ってからも、誰かが、この物語りを書き綴ってくれればと思う、永遠に」

瀬戸口氏はいう。
「"天君" は、できることなら、あの "北の国から" 
のように、1年に1回、2年に1回と続く、出演者が視聴者とともに成長してゆく、国民的ドラマに育てたい」
そのために、まずは、
初回放送を成功させねばならない。

筆者は、今回の、瀬戸口氏インタビューのためのTBS 宛企画書にこう書いた。

■読者全員が「飯島夏樹私設応援団」といっても過言ではない、ウインドサーフィン専門誌 "Hi-
Wind" において、読者が待ち望むドラマ化の情報を提供、盛り上げ、ドラマの大成功に供する。

読者諸兄におかれては、筆者をほら吹きにせず、"天君" を国民的ドラマに育てるため、ぜひとも私設応援団を結成されたい。