…………… 福井コンピュータPR誌 "CYBER ARCHITECT" ネット特集トビラ 1996 ……………

なにかを得ると等分のなにかを喪なうものだ。
恵子を選ぶと浩子は選べない。うまいものを食っちゃうと
それ以上にうまいものを食うのはたいへんだ。
コンピュータを使いこなせるようになると、
……ん?、べつになんにも喪なわないじゃないか。

色即是空 は、フィジカル(脳)とバーチャルの統合原理なんじゃないか。
フィジカルあってのバーチャルで、バーチャルそのものは空であり、
それはフィジカルを解放する技術で、脳の潜在力を引きだし、
脳と脳をネットワークしてそのパワーを自乗して、
脳がつくった時間と空間という概念を・・・・・・ま、いいか、そういうことは
利口な人がもうあちこちで書いてる。しかしだ、デジタル技術の急激な発展という
現実には、現実的な対応が必要となる。今このとき、現場の第一線で
デジタルと格闘し、泣き、笑っているぼくらの同僚3人に、
その格闘をレポートしてもらった。テーマはネットワーク。題して、

"今そこにある現実"

DIGITAL NETWORKは、時空を超えて
ソウルを解放するか(なんちゃって)
cover.jpgdesign by YUZZY/ foto by K.Tatsukawa
TOKO付記: ■1996年。ネットが臨界を越える、まさに前夜。編集を依頼されたソフトウエアメーカーPR 誌の特集もインターネット。
「ネットで電話できるらしい、アメリカにかけてもタダらしいぜ」「マジかよ!?」という時代である。
識者に訊いてまとめるという、無難だがライブではないオプションは捨て、
まさに「今」、現場で、押し寄せ迫るネットと格闘する、第一線担当者の、3本のルポとした。
それらの「イキオイ」を、強引にまとめる「大トビラ」を作らないと、特集が(本全体が)散漫になってしまう。
わし自身、ネットでこれからどーなるかなどよー分からんかったが、色即是空とかわかったよーな
わからんような──この場合それでもいいのだ、ある意味──原稿を書き、見開きデザインのラフを引いた。
デザイナーの渡邉氏、イラストレーターの樋口氏とともに完成させたのが、上記トビラである。
すくなくともイキオイは感じさせる。いままで、3000以上の「見開き」を作ってきたが、
気に入っているうちのひとつである。