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人工の電気、「交流」は生活を劇的に ■交流を通電すると電磁波が生じる。正確には電場と磁場が生じる。ここでは現実に健康の脅威になる可能性が高い電場について述べ、便宜的に電磁波とくくる。 テレビやエアコンなど家電はスイッチをオンにしていなくても、コンセントに挿していれば電磁波を出す。コンセントを抜けば電磁波は消える。 が、安心は出来ない。 たとえ家電を全く使っていなくても、あなたとあなたの家族は電磁波に包囲されている。 壁や床を剥がすとおびただしくのたうっているであろう屋内配線から発生する電磁波である。 屋内配線量はこの20年で数倍に増え、標準的な2階建て住宅で延べ1000mに及ぶ。 電磁波は、発生源から体を遠ざけると悪影響はなくなる。このため──長時間身を接せざるを得ない──パソコン、ホットカーペット、電気毛布などの例外はあるが、稼働中は距離を置ける電子レンジ、テレビなどは問題は少ない。 が、住宅という「容れ物」はそうはゆかない。 家にいる間中、あなたの足は床に接している(1階天井照明の配線が通ずる2階床はよりリスキーだ)。 日本の住宅は狭い。就寝時など壁に接せざるを得ない状況もあるだろう。 屋内配線から生ずる電磁波は、それ自身のみならず床材や壁材に広く帯電する。あなたとあなたの家族はまさに「電磁波の檻」のなかで暮らしているのだ。 …………。 長年にわたりシックハウス対策について研究を重ねているある大学の研究室では、有害化学物質を完璧に含まない建材で住宅を建て、そこに患者を住まわせデータを採った。が快復が思わしくないなどの事例もあり、結果電磁波との関連性について研究をおこなっているという。 北里研究所病院臨床環境医学センターの宮田医師(北里大学名誉教授)はシックハウスによるアレルギー疾患の治療に積極的に取り組んでおられ、いまも氏の診察を待つシックハウス症候群の患者が数百名もいる。 同センターとレジナ社の共同臨床により、電磁波過敏の症状は引越しやリフォームといった住環境の変化のタイミングで発生することが多く、化学物資過敏症と併発していることが多いことがわかってきた。 まさにシックハウスの真因、黒幕が電磁波といえるのだ。 悲観的なことばかり述べたが、喜べ、解決策はある。 電磁波は、アース(接地)を取ることで、健康上全く問題ないレベルまで削減することができるのだ。 (株)レジナというベンチャーが、その対策商品を開発、販売している。 |
週末、わが家でなにもせず、 ■生命とはある意味電気である。 心臓が拍つのもホルモンが分泌されるのも生体電位の働きによる。よく勉強している外科医は骨折患者にこう言う。 「ホットカーペットや電気毛布は避けてください」 たとえば上腕を骨折するとその部分の電位が約2週間、わずか5ミリボルト高まり、修復を助け、事後平常に復する。そのように微妙で精密なシステムなのである。 電気は高みから低い場所に流れる。人体は鉄よりもよく電気を流す。電位が低い良導体で、電磁波を集めやすい。 生体電位の何倍何十倍の強度の電場に、5年10年と晒され続けて、健康障害を起こすなという方が無理であろう。 筆者(TOKO)もこの数年、慢性疲労、病的なコリ、体の動きの悪さ、の体調不良に悩まされてきた。 整形外科では頸椎ヘルニアではと、脳外科では脳梗塞ではと言われた。心療内科には行ってないが、きっと仮面性うつ病の身体症状ではと言われたことだろう。 しかし、MRIなどの検査をしてみると、どれもが当てはまらないのだった。 各種サプリメントを始め、カイロ、鍼灸、モーツァルト療法から西野式呼吸法に至るまで、20余の健康法を試したが効果がない。 ふと気づいた。電磁波ではと。 フリーランスで仕事はもっぱら自宅なのだが、現在のアパートに越したのが体調不良に先立つ1年前、デスクトップからノートパソコン(本体に直接触れて操作するため、より電磁波リスクが高い)に換えたのも、PC作業密度が高じたのも同時期だったからだ。 最近では体調不良から外出する元気もなく、より長時間そのPCデスクで過ごすという悪循環もあった。 繰り返すが、アースをとれば電磁波は削減できる。が、日本の住宅の一般的なコンセントは欧米のそれと違ってアース端子がない。 先述(株)レジナが開発した“エルマクリーン”という商品がある。(アースの無い)2口コンセントに挿すことで、電圧が低いコールドラインを検出、そのコンセントからアースを取れるという画期的なものだ。そのエルマクリーンを導入し、ノートパソコンをアースした。これでノートパソコンとUSBなどで繋がるディスプレイなど周辺機器すべてがアースされるのだが、(アースポイントがノートパソコンだけでは)不充分だった。 木製の机、椅子の下のフローリングの床も帯電し、強い電磁波を発していたのである。 レジナ社の電磁波測定士に測定、対策してもらったのだが、机および床表面の電界発生量が380v/m(volt per meter)、作業時の頭の位置、つまり空中でさえ180-190v/mに達していた。 ちなみに、健康に害がないとされるスゥエーデンの電磁波規制ガイドラインは25v/m以下である。 筆者は、少なくとも丸7年、連日10時間程度、この強い電磁波に晒され続けたことになる。 |
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しかし──恐ろしいことに──電磁波測定士によれば、この筆者の環境はとくに劣悪なものではなく、最近では「標準的」という。 ともあれ、机の帯電はLEDのデスクライトとデスクトップに設置した集合タップに、床のそれは階下天井照明の屋内配線によると推測された。 まず、パソコンに加え、デスクライトと足許の電気ストーブのシャーシからアースを取った。 問題は木製の机と床の帯電である。 同じくレジナ社が製品化した有機導電性シートで対策した。特殊な銅を分子レベルで結合させたファブリックで、きわめて良導、つまり電位が低く、周囲の電磁波を、乾いた海綿が水を吸うように吸収し、アースされていれば地中に流す。 以上のような対策を経て、筆者のデスク回りはようやくスウェーデンの規制値以下に落ち着いたのだった。 対策した夜、明快な体調変化があった。 12、3時間寝ても疲れが取れず、起きると夕方で、自己嫌悪に陥ることがしばしばだった。その夜も起きると薄暗く、また夕方まで寝てしまったと思ったが、時計を見ると夜明け前だった。 半分以下の時間で同等の睡眠が得られたのである。付記すれば洗髪時の抜け毛も明らかに減った。 ──その後3ケ月、体調は順調に右肩上がりで改善、というわけにはゆかない。停滞したり、リバウンドしたり。 電磁波対策した瞬間、眼のピントが合うなど劇的な快復をする人もいるが、 停滞し、リバウンドしながら少しづつ良くなるのが一般的らしい。 無理もないだろう。これは10年スパンの生活習慣(環境)病なのだから。 ■ここまで述べた、筆者のデスク回りの対策は、残念ながら局地的なものである。家の中に、セーフティゾーンを、いわば局所的イヤシロチ(ゼロ磁場の聖地)を設けることに過ぎないゆえに。 念を押す。現代の住宅は、おびただしい屋内配線から生じる「電磁波の檻」、イヤシロチから一歩出ると電磁波に晒されてしまう。 根本的な対策は「オールアース」に施工、あるいはリフォームすることだ。 詳しくはコラムを参照されたいが、前述の有機導電性シートを、屋内配線と、壁、床、天井との間に配しアースすることで、電磁波をシールドするのである。一般的な2階建て住宅、延べ床面積200平米の場合、約80平米の有機導電性シート施工が必要で、これにかかるエクストラコストは材料施工費含め約50万より(コンセント全てをアースつき3口とした場合は2割増)とリーズナブルである。 壁や床を剥がす必要があり、やや大がかりになるが、リフォーム施工も可能である。 |